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その自主トレ、逆効果かも?脳卒中後におすすめする自主トレーニング4選【手・指編】

8月13日
読了時間: 7分

脳卒中・脳梗塞向けのおすすめリハビリ、自主トレ「手・指」編

脳卒中後は、麻痺の影響によって手や指が動かしにくくなったり、握る方向に力が入りやすくなったりすることがあります。


特に手や指は身体の中でも細かな動きが必要な部分です。

そのため、思うように動かせない状態で無理に動かそうとすると、肩をすくめたり、身体を傾けたり、後ろに反ったりといった「代償動作」が起こりやすくなります。

また、間違った無理なトレーニングを繰り返すことで、動きの癖や筋肉の緊張が強くなってしまう場合もあります。


この記事では、脳卒中後の手・指の自主トレーニングで注意したいポイントと、自宅で安全に取り組めるおすすめの自主トレーニング4選をご紹介します。


・その自主トレ、逆効果かも?脳卒中後におすすめする自主トレーニング4選【肩・肩甲骨編】はこちら
その自主トレ、逆効果かも?脳卒中後におすすめする自主トレーニング2選【足・足首編】こちら

■ 脳卒中後の手指の麻痺が与える影響


脳卒中によって手指に麻痺が生じると、「指を開く」「手を伸ばす」「物をつかむ」といった日常生活に必要な動作が難しくなることがあります。

手指は細かな動きだけでなく、手の感覚や腕・肩、体幹との連動も重要です。

そのため、手指の麻痺がある場合は、単純に「指を動かす練習」をするだけではなく、手を動かすために必要な身体全体の動きや感覚にも目を向けることが大切です。


指を開いたり、物をつかんだりすることが難しくなる

脳卒中後は、麻痺の影響によって指を思うように開けなかったり、手首を動かしにくくなったりすることがあります。

例えば、コップやペットボトルなどをつかむ場合にも、

「指を開く」→「腕を伸ばす」→「手を物に近づける」→「指を調整してつかむ」

という複数の動作が必要になります。

そのため、手指の麻痺がある場合は、単純に物をつかむ練習を繰り返すだけではなく、手を伸ばすまでの一連の動作を整えることが重要です。


手の感覚が低下すると、手の動かし方も難しくなる

手のひらや指には、物の形や硬さ、表面の違いなどを感じ取るための重要な感覚があります。

脳卒中によって手の感覚が低下すると、

  • 物に触れていることが分かりにくい

  • 物の硬さや形を感じ取りにくい

  • どのくらい力を入れればよいか分かりにくい

といった問題が起こることがあります。

手を上手に動かすためには、「動かす力」だけでなく「感じ取る力」も重要です。

そのため、麻痺側の手でさまざまな物に触れ、触った感覚の違いを意識することも大切です。


手を伸ばすときに身体の代償動作が起こりやすい

麻痺側の手を思うように動かせない場合、身体を傾けたり、後ろに反ったり、肩を過剰に挙げたりすることで、何とか手を目的の場所まで動かそうとすることがあります。

このような動きを「代償動作」といいます。

手を伸ばす動作には、手指だけではなく、肩甲骨・肩・体幹・股関節など身体全体の安定性と連動が関係しています。

そのため、手指の麻痺に対しては、手だけを頑張って動かすのではなく、身体を安定させた状態で腕や手を動かすことが大切です。


手指が硬くなり、さらに動かしにくくなることがある

手指の麻痺があると、指を開くことが難しくなったり、握る方向に力が入りやすくなったりすることがあります。

その状態が長く続くと、指や手首が硬くなり、さらに手を開いたり物をつかんだりすることが難しくなる場合があります。

そのため、麻痺の状態に合わせて、手指を優しく動かしたり、感覚を刺激したりしながら、動かせる範囲を維持していくことが重要です。



■ おすすめ自主トレーニング4選


それでは、SIT-FITトレーナーがおすすめする手指の自主トレーニング4選をお伝えします。

なお、いずれのトレーニングにおいても、焦らずゆっくり丁寧に行いましょう。

痛みがある場合は、無理をせず動作を中止してください。


肩甲骨を意識して肘を上げる


  1. テーブルに枕やクッションなどを置き、胸と頭を預けます。

  2. 両手を頭の上に乗せます。(図1-1)

  3. 肩甲骨を寄せるように意識しながら、麻痺側の肘をゆっくり上げます。(図1-2)

  4. その状態を5秒ほど保ちます。

  5. ゆっくり肘を下ろし、繰り返します。(図1-3)


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※手が頭の後ろまで回らない場合は、耳の横に手を置いて行いましょう。

手を動かすためには、まず肩甲骨の動きと安定性が重要です。

身体を傾けたり、後ろに反ったりする代償動作をできるだけ抑えながら、腕と肩甲骨を動かしていきましょう。



肘をゆっくり曲げ伸ばしする


  1. テーブルに枕やクッションなどを置き、胸と頭を預けます。

  2. 両手を耳の横に置き、麻痺側の肘を上げます。(図2-1)

  3. 肘の高さをできるだけ保ったまま、ゆっくり肘を曲げ伸ばしします。(図2-2)

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※肘の高さが下がらないように意識することで、肩甲骨を安定させた状態で腕を動かす練習になります。

身体を傾けたり、肩をすくめたりせず、ゆっくりとコントロールしながら動かすことを意識しましょう。



手のひら・指に触れて感覚を刺激する


  1. 麻痺側の手のひらや指を、反対側の手で優しく触れます。

  2. 手のひらや指の感触、厚みなどを意識して感じます。(図3-1)

  3. 親指と小指の付け根の間を広げるように、優しくマッサージします。(図3-2)

  4. 指と指の間も、無理のない範囲で優しく触れていきます。

  5. 両手で指を組み、麻痺していない手で麻痺側の手を軽く支えながら、手首をゆっくり動かします。(図3-3)

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※麻痺側の手に触れることで、手から入ってくる感覚情報を意識しやすくすることができます。

特に麻痺した手は、親指と小指の付け根や指と指の間などが硬くなりやすいため、優しく触れて柔らかさや感触を確認してみましょう。また、丸い物、硬い物、柔らかい物、ザラザラした物など、さまざまな物に触れて違いを感じる練習もおすすめです。


手首を支えながら腕を伸ばす


  1. 麻痺側の手首を、麻痺していない方の手で支えます。(図4-1)

  2. 手首を支えた状態で、麻痺側の肘をゆっくり曲げ伸ばしします。(図4-2)

  3. 腕を伸ばしていくときは、手首を少し反らせるように意識します。(図4-3)

  4. 無理のない範囲で、ゆっくり繰り返します。

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※麻痺側の手だけで頑張って動かそうとすると、身体を傾けたり、肩が過剰に上がったりすることがあります。

そこで、反対側の手で麻痺側の手首をサポートしながら行うことで、余計な力が入りにくくなります。

また、物をつかみにいくときには、手首が少し反った状態になることがあります。

腕を伸ばす練習と合わせて、手首の動きも意識してみましょう。


■ まとめ


脳卒中後の手指は、握る方向に力が入りやすく、時間が経つにつれて指や手首が硬くなってしまうことがあります。

手指の動きを改善するためには、単純に「物をつかむ練習」を繰り返すだけではなく、

  • 肩甲骨や体幹を安定させる

  • 手を動かす前に感覚を意識する

  • 身体を傾ける、反る、肩をすくめるなどの代償動作を減らす

  • 手首や指を無理なく動かす

といったことが大切です。


今回ご紹介した自主トレも、「頑張って動かす」より「余計な力を入れず、ゆっくり正確に動かす」ことを意識してみてください。すでに肩や肘、手首などが硬く、今回の運動が難しい場合は、まずストレッチなどで柔軟性を高めることから始めるのも一つの方法です。


また、麻痺側の手でさまざまな物に触れて、「丸い」「硬い」「柔らかい」「ザラザラしている」など、触った感覚の違いを探すこともおすすめです。

自主トレは、痛みがない範囲で、無理をせずゆっくり行いましょう。


※脳卒中後の症状や筋肉の緊張には個人差があります。動かすことで痛みが出たり、筋肉の緊張が強くなったりする場合は無理に続けず、医師や理学療法士・作業療法士などの専門家に相談してください。


参考文献
  1. 回復期脳卒中患者の麻痺側上肢の近位機能と日常生活における上肢スキ ルの関係
  2. 脳血管障害片麻痺患者の上肢に対するアプローチ
  3. 片麻痺の体幹の崩れ
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