その自主トレ、逆効果かも?脳卒中後におすすめする自主トレーニング2選【足・足首編】
- 2 日前
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脳卒中や脳梗塞の後遺症では、足首がピーンと下に伸びる方向へ力が入りやすくなる「痙性(けいせい)」がみられることがあります。
この状態を放置すると足首の動きが更に悪くなり、立ち上がりや歩行などの日常生活に大きな影響を及ぼします。
入院中は毎日のリハビリでケアが可能ですが、退院後は外来や訪問リハビリが週1〜2回程度になることも多く、それだけでは十分な足首のケアが難しくなり、すぐに固くなってしまう恐れがあります。
そのため、自宅でのトレーニングはとても重要です。
しかし、力任せに動かしたり、強くストレッチしたりすると、かえって筋肉の緊張を高めてしまい、逆効果になることもあります。
今回は、足首が硬くなることで起こる問題と、自宅で取り組めるおすすめのトレーニングを2つご紹介します。
■脳卒中後の足首の硬さが立ち上がりに与える影響
脳卒中後に片麻痺がある方は、座っているときに麻痺側の足裏がしっかり床についているでしょうか。
もし足首が内側を向き、親指が浮いている状態であれば、足首の柔軟性が低下している可能性があります。
立ち上がるためには、麻痺側の足でも体重を支えながら、重心を前方へ移動させることが重要です。
しかし、足首が内側を向いたままでは足裏全体で床を捉えることができず、十分に踏ん張ることが難しくなります。
また、ふくらはぎの筋肉の緊張(痙性)が強くなると、足首を上へ曲げる「背屈」の動きが制限されます。
その結果、立ち上がりに必要な重心移動が妨げられ、スムーズに立ち上がることが難しくなります。
また、足首が内側を向いていることによって、こうした足底からの感覚を十分に得ることができず、立ち上がりに必要な筋活動が発揮されにくくなります。
さらに、足首が硬いことで前方への重心移動も制限されるため、必要以上に力を使って立ち上がらなければならなくなります。
その結果、麻痺していない側の足に頼りすぎたり、手で体を引っ張って立ち上がったりといった代償動作が増えやすくなります。このような動作を繰り返すことで筋肉の緊張がさらに高まり、足首の硬さや動きの悪さを助長してしまうという悪循環に陥ってしまいます。
■ 脳卒中後の足首の硬さが歩行に与える影響
歩行でも足首の柔軟性はとても重要です。
足首には、体重を支えながら前方へ重心を移動させ、足をスムーズに振り出すという大切な役割があります。
しかし、脳卒中後に足首が硬くなったり、内側へ向きやすくなったりすると、これらの動作がうまく行えなくなります。
その結果、
麻痺側で十分に体重を支えられない
重心移動がスムーズにできない
つま先が床に引っ掛かりやすくなる
歩幅が小さくなり、歩行速度が低下する
など、歩行全体にさまざまな影響を及ぼします。
また、足首だけでなく足指の柔軟性が低下すると、地面をしっかり捉えることが難しくなり、バランス能力の低下にもつながります。そのため、足首と足指の柔軟性を維持することは、安全で効率的な歩行を目指すうえで欠かせないのです。
足首は筋肉の緊張(痙性)の影響を受けやすい部位です。
立ち上がりや歩行などの日常生活動作でも緊張が高まりやすいため、外来や訪問リハビリだけでなく、毎日のセルフケアを継続することが、歩行機能の維持・改善につながります。
■ おすすめ自主トレ2選
それでは、SIT-FITトレーナーがおすすめする、足の自主トレ2選をお伝えします。
なお、いずれのトレーニングにおいても、焦らずゆっくり丁寧に行いましょう。
痛みがある場合は、無理をせず動作を中止してください。
① 足首ストレッチ
1.タオルや紐など長めのものを足裏に引っ掛けます
(図1-1:左手で右足首のストレッチをしている画像です)
2.足首がまっすぐ上を向くように、ゆっくり手前へ引きます
3.ふくらはぎが心地よく伸びる位置で20〜30秒程度保持します
(ストレッチをしながら足首を上へ動かす意識を加えると、より効果的です)
※足首が内側へ向かないように注意しましょう。 (図1-2)
※強く引っ張ったり勢いをつけたりすると、反射的に筋肉の緊張が高まることがあるため、呼吸を止めず、ゆっくりと行うことが大切です。
この動作は座ったまま一人で簡単に行えるため、1日に数回に分けて実施するのがおすすめです。
足首が硬い方は、膝裏や太ももの裏側(ハムストリングス)も硬くなっていることが多いため、膝を伸ばしたまま前屈を組み合わせることで、腰から太ももの裏まで一緒にストレッチができさらに効果的です。
② 足指ストレッチ
1.麻痺側の足指を麻痺していない側の手で握ります
2.握ったままの足の指を上げ、足裏をストレッチします (図2-1)
3.握ったままの足の指を下げ、足の甲をストレッチします (図2-2)
※靴下を脱ぎ、手の指を足指の間に入れて行うと、足指の間もしっかり伸ばすことができます。
※上下に動かすだけでなく、『ゆっくり回す』『軽く引っ張る』といった動きを加えることで、足指周囲の筋肉や関節の柔軟性をさらに高めることができます。
足指は手と同じように硬くなりやすい部位です。
足指や足裏の柔軟性が改善すると、足首の動きもスムーズになり、立ち上がりや歩行の安定につながります。
■ まとめ
脳卒中では、足首が硬くなったり内側へ向いたりすることで、立ち上がりや歩行が難しくなることが少なくありません。
歩行には、一般的に『足首を上へ約10°動かせる柔軟性(背屈可動域)』が必要とされています。
これをひとつの目安として確認してみてください。
足首の変形や柔軟性を改善するには外来や訪問リハビリはもちろん重要ですが、時間や回数に限りがあります。
そのため、毎日のセルフケアを継続することが、足首の柔軟性を維持し、生活動作を改善するための大切なポイントなのです。
自主トレーニングとして意識したい点はこの通りです。
足首の硬さや変形は、立ち上がりや歩行を妨げる原因になる
足首と足指の柔軟性を毎日維持することが大切
ストレッチは勢いをつけず、ゆっくり行う
痛みのない範囲で無理なく続ける
脳卒中後のリハビリでは、「頑張って力を入れること」よりも、「余計な緊張をつくらないこと」が大切です。
特に退院後の慢性期は、リハビリの時間が限られ、ご自身の特定のパターンでしか動きができなってしまう傾向があります。毎日の自主トレーニングを正しい方法で継続し、足首の柔軟性を保ちながら、立ち上がりや歩行の改善につなげていきましょう。
日々のトレーニングに不安を覚えておられる方、もっと積極的にトレーニングを行いたい方は、ユニトレもぜひご検討ください。
参考文献
回復期脳卒中患者の麻痺側上肢の近位機能と日常生活における上肢スキルの関係
脳血管障害片麻痺患者の上肢に対するアプローチ
片麻痺の体幹の崩れ
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