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車椅子ユーザーが知っておきたい!乾かさない傷の治療方法『湿潤療法』

  • 4 時間前
  • 読了時間: 4分

車椅子ユーザーの褥瘡、怪我、火傷に効果的な湿潤療法とは?

皆さん一度は「擦り傷」や「やけど」をしたことがありますよね。

そんな時、どのような処置を行ってきたでしょうか?


昔は「消毒して乾かす」という方法が当たり前とされていました。

しかし、現在では傷の治療方法が大きく変わりつつあります。

その治療方法を「湿潤療法」と呼びます。


「湿潤療法」は車椅子ユーザーと深い関わりのある「褥瘡」の治療にも有効とされています。

今回はそんな 「湿潤療法」についてお話しさせていただきます。



「褥瘡」(じょくそう)とは


褥瘡とは、いわゆる床ずれのことです。

同じ場所に長い時間圧力がかかることで、皮膚やその下の組織がダメージを受けてできる傷のことを示します。

褥瘡は、以下のような方に起こりやすいとされています。


  • 車椅子を使っている

  • 長時間同じ姿勢で過ごしている

  • 感覚が鈍く、痛みに気付きにくい


車椅子ユーザーの場合、同じ部位への圧迫が長く続いてしまうことがあるために、褥瘡のリスクが高い傾向にあります。

褥瘡の予防策についてはこちらの記事にてご紹介していますので、ぜひご一読ください。


褥瘡の治療方法として、「湿潤療法」が非常に効果的です。



「湿潤療法」とは


火傷や外傷(怪我)、そして褥瘡に対して現在広く行われている治療方法の一つが湿潤療法です。

これは、傷を乾かさず適度な湿潤環境を保つことで、人が本来持つ自己治癒力を最大限に引き出す治療法です。

車椅子ユーザーにとってリスクの高い褥瘡ケアでもこの治療法は非常に重要とされています。


湿潤療法の基本的な流れは以下の通りです。


①流水などで優しく洗う

②乾かさない

③専用のシートで保護をする(湿潤環境を保つ)


③で湿潤環境(傷を適度に湿った状態)を保つためにドレッシング材(創傷被覆材)を使用します。

代表的なものとして、以下のものが挙げられます。


  • ハイドロコロイド(小さな傷、例:キズパワーパッドなど)

  • ポリウレタンフォーム材(深い傷や滲出液が多い場合)

  • ポリウレタンフィルム(浅い傷)


※傷の状態(深さ・感染・滲出液量)によって選択が変わってきますので、ご使用の際には医療従事者に相談するようにしましょう。



「湿潤療法」のポイント


湿潤療法のポイントはシンプルです。


  • 基本は流水や生理食塩水での洗浄のみ

  • 必要以上に消毒をしない(感染が疑われる場合には消毒を検討

  • 傷を乾燥させない


これらの考え方は、過去に良しとされていた「消毒してガーゼで傷を乾かす」という方法とは対照的です。

なぜならば、消毒薬は細菌を減らす一方で、正常な皮膚細胞や治癒に必要な細胞まで傷つける可能性があるからです。

また、傷を乾燥させることによってできる瘡蓋(かさぶた)は傷が治っている証とされてきましたが、乾燥すると細胞の増殖が妨げられるために治癒が遅れる可能性があるとされ、乾燥させて瘡蓋を作らずに治療を進めることが標準的な方針となっています。


※消毒を絶対にしてはいけない、というわけではありません。傷の状態に応じて適切に処置をすることが大切です。



まとめ


湿潤療法は、傷を乾かさずにやさしく守ることで、人が本来持っている治す力を引き出す治療法です。

洗浄を基本とし、必要な場合にのみ消毒を行いながら、傷を乾燥させずに保護をして治療を進める、という考え方で、これまで一般的だった「消毒して乾かす」という方法とは大きく異なります。


この治療方法は車椅子ユーザーと深い関わりの深い褥瘡の治療方法としても標準的に広く取り入れられています。

ただし、湿潤療法は数ある治療方法のうちの1つに過ぎません。

褥瘡の場合、小さな傷でも「大丈夫」と楽観せずに状態に応じたケア取り入れるようにしましょう。

傷の状態によっては医療機関での治療が必要なため、不安を感じた場合や症状が重い場合には、必ず医師や医療従事者に相談するようにしてください。




参考文献


  1. 褥瘡予防・管理ガイドライン
  2. キズ・ヤケドは消毒してはいけないー治療の新常識「湿潤療法」のすべて
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