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車椅子ユーザーが知っておきたい5つの褥瘡予防策

  • 執筆者の写真: Sit-Fit Owner
    Sit-Fit Owner
  • 6 日前
  • 読了時間: 7分

車椅子ユーザーの褥瘡予防する4つの秘訣

今回は、車椅子ユーザーが知っておきたい褥瘡の5つの予防策についてご紹介します。


もくじ


予防策1:ポジショニング

予防策2:座面環境

予防策3:栄養管理

予防策4:スキンケア

予防策5:運動

このような場合にはすぐに医師に相談を

まとめ



予防策1:ポジショニング


褥瘡は、特定の部位に圧が持続的にかかり続けることでできてしまいます。

この圧がなくなれば、基本的に褥瘡ができることはありません。


まず1つ目の予防策として、その圧をなくすために車椅子やベッドでの姿勢、つまりポジショニングを意識する必要があります。

こまめにポジショニングを意識することで、プッシュアップや体位変換で除圧を行うようになり、結果的に褥瘡の予防へと繋がります。

※プッシュアップや除圧動作は最低でも15〜20分に1回は必要と言われています。



予防策2:座面環境


2つ目の予防策は、座面の環境を整えることです。

まずは、車椅子のクッションからお話ししましょう。
車椅子用のクッションにはいろいろなものがあります。
中でも、褥瘡予防といえばロホクッションを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

ロホクッション(Amazonショップ内)

ロホクッション

ロホクッションはジェル型のジェイクッションよりも圧が分散しやすいので、褥瘡予防に効果的とされています。
ただし、ロホクッションがあれば褥瘡が出来ないというわけではありません。むしろ深い傷ができてしまった後では、ロホクッションの強みである分散力がかえって幹部を悪化させてしまうこともあるのです。

次に車椅子以外の座面、例えば車のシートやトイレの座面環境はいかがでしょうか。
意外なことに、車を運転する際にクッションを使用していない人が結構いらっしゃいます。
30分~1時間程度でも、クッションを使用せずに車を日常的に運転していると十分に褥瘡になる可能性があります。
そのため、運転をする頻度が多い方には運転中もクッションを使用することおすすめします。

トイレも同様です。排泄時間が長くなるとどうしてもトイレに座っている時間が長くなります。
1~2時間程度排便に時間がかかる方も珍しくはありません。
運転同様に褥瘡になる可能性がありますので、その場合にはこのようなトイレ用ロホクッションをおすすめします。

トイレ用ロホクッション

使用上の注意としては、安定性を確保するためにベルトがきつくなっているため、取り付けが若干大変です。
また、ロホがある事で多少バランスが取りづらくなってしまうため、使用の際にはバランスを崩さないように注意して下さい。


予防策3:栄養管理


3つ目の予防策は栄養管理の点です。
褥瘡は怪我ですので、怪我を治す為にしっかりと栄養を摂る必要があります。
その為には、高エネルギー・高タンパク質が必要とされています。

タンパク質は褥瘡予防そして治癒に対して非常に効果的です。
タンパク質と褥瘡に関してはこちらの記事『車椅子ユーザーのプロテイン摂取は褥瘡予防に効果あり?』をご覧ください。
また、褥瘡になった場合は最低でも基礎代謝の1.5倍を摂取する必要があると言われています。
※これは1.5倍の栄養摂取した場合の方が、そうでない場合に比べて褥瘡の治りが良くなった、という実験結果に基づいてのものになります。
その為、1日3回高タンパク質且つバランスの良い食事をとる事が大切です。

頸髄損傷など四肢麻痺の為に運動量をあげることができない為に、食事制限のみでダイエットをしているという方もいらっしゃいますが、過体重よりも栄養失調から発生する褥瘡の方が圧倒的に多いため、褥瘡予防という点で考えると、しっかりと栄養を摂取することは非常に大切なのです。

その他にもビタミンCやビタミンAは新しい血管を作る為に必要な栄養素であり、鉄や亜鉛も瘢痕組織の形成や治癒を早めたりしてくれます。
特に褥瘡患者には亜鉛が足りていないことが多いので、1日あたり15mg程摂取する必要があると言われています。

褥瘡予防に重要な栄養

そして、アルコールや喫煙は褥瘡時には控えるべきです。
アルコールの摂取は傷の治癒を遅くさせますし、喫煙は患部への酸素供給を少なくしてしまうため、結果的に傷口が治りづらくなってしまいます。


予防策4:スキンケア


4つ目の予防策は、肌管理、そして清潔に保つことです。

褥瘡に一番なりやすい部分はお尻です。
車椅子ユーザーの多くは排便機能の問題により、おむつをつけていると思いますが、そのおむつにより蒸れてしまったり、また尿や便で汚れてしまうことがあります。そのような環境は、皮膚を弱い状態にさせてしまうのです。
その為、日頃から皮膚を清潔にする事を心掛ける必要があります。
撥水性のクリームを塗って皮膚を保護することもおすすめです。

赤くなってしまった部分はくれぐれも患部は優しく扱って下さい。
マッサージを行うとかえって悪化してしまうことがありますので要注意です。
身体を洗う際にはゴシゴシと強く擦らずに、泡で優しく洗うようにすると良いでしょう。

また、傷口が深い褥瘡になってしまうと、治った後に瘢痕組織が出来てしまいます。
瘢痕組織は血液供給が少なく、皮膚の弾力性も低い為、繰り返し褥瘡になりやすくなってしまいます。
褥瘡はなるべく深い傷になる前に治癒させ、瘢痕を作らないことも褥瘡予防では大切なことになります。



予防策5:運動


ポジショニングを意識して除圧動作を続けていても、褥瘡ができてしまうことがあります。
その場合は他の予防策も意識して取り入れてみましょう。

5つ目の予防策、それは運動です。


褥瘡は持続的な圧が基本的な原因とお伝えしました。
特定の部位に圧がかかり続けることで血行不良を起こし褥瘡は発生します。
逆を言えば、血行が良ければ多少の圧では褥瘡ができづらいと言えます。

血行を良くするためには、なるべく麻痺部への血流を上げながら、褥瘡予防に必要なプッシュアップなどの体位変換能力を鍛える必要があります。
具体的な運動方法は、おすすめ動画リスト SIT-FIT Playlist「褥瘡予防」にてご紹介しています。
ぜひ毎日1つずつ、繰り返し実施してみてください。

褥瘡予防


このような場合にはすぐに医師に相談を


こんな時はすぐに医師に相談

褥瘡は車椅子生活や寝たきりの状態という生活スタイルが主な発生原因になります。
浅い傷であれば、数日うつ伏せの状態を保つなどして比較的治りやすいのですが、根本的な生活スタイルを変えない限り、褥瘡をケアしながらの生活を送り続けることになります。

褥瘡が出来た時にはすぐに病院に行って下さい。
軽度の場合、数週間に一回の通院という形になることが多いでしょう。
そして、このような場合は特に注意して下さい。

  • 傷口が熱を持っている
  • 褥瘡から悪臭がする

  • 褥瘡からの滲出液が増えた

  • 膿が出ている

  • 痛みや自律神経過反射が出ている

  • 発熱がある


褥瘡はすぐに悪化・進行します。
このようなサインが出たら、躊躇わずにすぐに病院を受診して下さい。


まとめ


今回は褥瘡の予防、対応策についてご紹介しました。
褥瘡は、手術が必要なほど深刻になってしまうと、2~3ヵ月程度の入院が必要になります。
また、その期間は、傷口に負荷をかけるような仰向けや車椅子に乗ることが出来なくなってしまいます。
さらにひどい場合、1~2年程入院しなければならないというケースもありますので、そうならないよう予防する事がとても重要です。

みなさん日頃から細心の注意を払って生活をされているかと思いますが、これらの対策をぜひ参考にしていただき、褥瘡ゼロの生活を目指して健康的に生活を送りましょう!

参考文献
  1. 日本褥瘡協会
  2. 褥瘡患者さんの為の栄養ケアポケットガイド 監修:美濃良夫先生 May 2013.
  3. 日本せきずい基金 You Can!〔増補改訂版〕第12章 褥瘡
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