車椅子生活で気をつけたい足の”むくみ(浮腫)”
- Sit-Fit Owner

- 4 日前
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座位時間が長い方や麻痺の影響で足を動かすことが難しい方、中でも車椅子を使用されている方は、足を動かす機会が少なくなるため足にむくみ(浮腫)が生じやすくなってしまいます。
今回は、そんなむくみについて詳しくお伝えします。
むくみとは
むくみとは、体の中の余分な水分が皮下にたまった状態のことを言います。
手や指・顔など体のどこにでも起こりますが、特に下半身(足首からふくらはぎにかけて)に多く見られます。
多くは一時的なものですが、中には体の不調のサインであることもあるため、ケアとチェックを行いましょう。
むくみの原因
むくみは、血液やリンパの流れが滞り、その血管から水分がしみ出して皮下にたまることによって生じます。
一般的な原因として、以下の4点が挙げられます。
長時間の同じ姿勢 座ったままや立ったまま、足が動かし辛い状況が長時間続くことによって、重力の影響で下肢に血液が溜まりやすくなります。
塩分の過剰摂取 塩分を多く含む食事は体内に水分を保持しやすくなります。
運動不足 定期的な運動が不足すると血液循環が悪くなります。
薬剤の副作用 血圧降下薬やステロイド薬、非ステロイド性抗炎症薬など、特定の薬剤の副作用によってむくみが生じる可能性があります。
むくみは危険なサイン?「静脈血栓」には気をつけて
静脈血栓(Venous Thrombosis)とは、静脈内に血液が固まって血栓ができることを指します。
この血栓が血流を妨げ、血液循環が滞り、むくみ・痛み・熱感・赤みなどの症状が現れ、さまざまな健康問題を引き起こす可能性があります。
原因はむくみと同様に、長時間同じ姿勢でいることの他に、薬の副作用血管への刺激・損傷、感染症など原因は複様々です。
静脈血栓は主に二つのタイプに分けられます。
深部静脈血栓(DVT)
ふくらはぎや太ももなど、足の深い静脈にできる
血栓が肺に流れると肺塞栓症になり、命に関わる危険性がある
初期症状は一般的にエコノミー症候群とも呼ばれる
表在性静脈血栓
皮膚のすぐ下にある浅い静脈にできる
深層部静脈血栓ほど危険性は高くない
そして、以下のような症状が見られる方は上記血栓の疑いがあります。
医療機関の受診の検討と日常的に運動を心がけてください。
足のむくみ、だるさやしびれ、熱感、圧迫感
下肢に腫脹(しゅちょう)がある、ふくらはぎに小さなコブがある
下肢の変色(赤み)
足の指の変色(チアノーゼの有無)
むくみの予防
むくみが危険なサインかもしれない、ということがお分かりいただけたでしょうか。
むくみの予防は血栓のリスクを下げることにもつながります。
普段から足の状態の確認と、以下のむくみに対する対策を行ってみてください。
足(または上肢)の運動やストレッチ
姿勢の工夫
弾性ストッキングの使用
適度な水分と生活習慣の改善
中でも車椅子ユーザーの皆さんにおすすめするむくみや血栓症の予防として、
車椅子を1時間に4~12kgの力で漕ぐこと(約5分間で300mから1kmを移動)またはそれと同等の上肢運動が有効です。車椅子の駆動速度を上げ、運動強度を増すことで、血栓のリスクをより低減できる可能性があります。
また、毎日足のマッサージをしている方(特にクリームでの保湿を行なわれている方)の足は状態が良く見た目も綺麗で、足も冷たくなりにくい傾向にあります。
そのため、運動が難しい方は、まずはマッサージでから始めれられるのも効果的でしょう。
そして、むくみだけでなく冷え性の対策としてもおすすめできるのが「足湯」です。
少し深めの桶に足を入れておくだけ(入浴剤を少し入れるのもおすすめ)で身体が温まります。
これから冷えと乾燥の時期がやってきますので、ぜひ試してみてください。
最後に
日々のケアは大変ではありますが、積み重ねれば重ねただけの効果が感じられるかと思います。
無理のないペースでケアを続けながら快適な毎日を目指しましょう!
運動を始めてみたいけれど何から始めればいいかわからない。今の自分の身体に合った運動方法がわからない。
トレーニングの専門家のアドバイスを受けてみたい。そのような方は一度ユニトレPERSONALをご検討ください。
参考文献
車椅子座位保持が下肢深部静脈血流速度に及ぼす影響
脊髄損傷対麻痺者の車椅子駆動が大腿静脈血流に与える影響






