車椅子ユーザーの健康を守る!2つの運動ポイント
- Sit-Fit Owner

- 5 日前
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脊髄損傷で車椅子生活になると、症状の度合いに関係なく運動をする機会が極端に減ってしまいますよね。
パラスポーツを始めよう!と思っても、準備や場所探しが大変でなかなか始めることができない、ハードルが少し高いと感じていらっしゃる方も少なくはないのではないでしょうか。
もっと気軽に体を動かせて健康維持ができたらいいのに…そんなことを考えたことはありませんか?
そこで今回は、脊髄損傷者が健康を維持するために意識したい2つの運動ポイントを紹介します。
運動ポイント① 麻痺部を動かす
車椅子生活になる事で、身体には以下のような変化が起こってきます。
これらは車椅子生活において避けることができない変化です。
姿勢・骨格の変化
筋力の低下
基礎代謝の低下
肥満や生活習慣病のリスク増加
二次的な合併症のリスク増加(拘縮・むくみ・褥瘡など)
心理的、社会的な変化による不安
このような変化を改善するために麻痺部位の積極的な運動をおすすめします。
理由として、運動を行うことによって麻痺部または心身に以下のような効果を望むことができるからです。
身体の見た目やバランスの維持
麻痺部の運動機能の改善
筋肉の量や質の保持
血流や代謝の改善
便秘の改善
二次的な合併症(拘縮・むくみ・褥瘡など)の予防
心理的な不安の解消、うつ予防
ぜひとも日常的に麻痺部を動かすよう意識付けてみてください。
運動ポイント② 運動目安時間は30分
脊髄損傷に関する健康や運動に関する研究に基づいて、適切な運動量について考えてみましょう。 脊髄損傷者の健康を維持するために、以下の指針が提案されています。
※紹介している研究が脊髄損傷者を対象としているため脊髄損傷者と表現していますが、脳性麻痺や脳梗塞など他の症状・障害でも共有点があると考えています。
有酸素運動を中心とした筋力トレーニングを組み合わせて、
最大酸素摂取量(VO2max)の50%で1回30分以上毎日行う
1回60分で週3回以上行うこと
が望ましいとされています。
VO2maxの計算式は、
VO2max = (220 - 年齢) ÷ 安静時心拍数 × 15.3 です。
この情報は、脊髄損傷者の健康維持のための重要なガイドラインとなります。
ただし、損傷部位・重症度・合併症・体調などによって内容は変わるため、主治医・理学療法士・作業療法士などと調整しながら進めるようにしましょう。
2つの運動ポイントをクリアするために
定期的な運動をすることで慢性痛の軽減にもつながるという研究もあります。
ぜひ定期的な運動を実施して更なるアクティブな生活を目指していきましょう!
麻痺部をどのようにして動かせば良いか。自分の体は客観的に見てどういう状態なのか。段階的に運動を進めていきたいがどのレベルから始めれば良いか。より効率的な運動を行うにはどうすれば良いのか。など、日々の運動についてより詳しいことは、私たちユニバーサルトレーニングセンター(UTC)が皆さんのお力になれるかと思います。
ご自宅への訪問または提携施設、オンラインでなど、身近な生活環境の中でアクティブに運動を行い、皆さんの日々の健康をユニトレという形で多くの車いすユーザーの方々のサポートさせていただいております。
皆さまの体力や生活環境を考慮し、あなたに合った運動プランを立て、自宅や生活環境で適切に運動するためのサポートをさせて頂きますので、ぜひご検討ください。
参考文献
障害特性に基づく健康管理から,佐久間 肇 ,2016年65巻1号p.74


