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脊髄損傷者に対してのBMIの見直しとBMIが与える影響

更新日:2023年10月12日



脊髄損傷者の肥満に関して調べていたら、こんな面白そうな論文を見つけたので久しぶりに情報の整理をしてみようと思います!


最初に記しておきますが、これはアメリカの論文なので、アメリカの肥満の基準がベースとなっております。 肥満は皆さんご存知の通り『脂肪が過剰に蓄積した状態』を指す言葉ですが、これは一般的にBMI(Body Mass Index)で判断されます。 日本ではBMI25以上が肥満とされますが、アメリカはBMI30以上を肥満と判断します。 なので今回の論文はあくまでも日本人にとっては参考程度と言うことになります。 しかしコレでも、今回の論文は関心する点がありました!


 

BMIの見直し

まず、凄いと思ったのはBMIをきちんと脊髄損傷者に適したものに見直していると言う点です。 脊髄損傷者は皆さんご存知の通り、多くが車椅子生活をしており下肢を動かす機会が少ないため、下肢筋肉量が激減してしまっています。 その為、健常者と同じ痩せ型の体型に見えても実は筋肉が下がって、脂肪量が上がっている可能性が多いのです。

従来のBMIでは肥満が的確に判断することが出来ない事が問題視されていました。 ここまで指摘している論文は多いのですが、ここからどう補整するかを示せている論文はあまりなかったのが現状です。 しかし、この論文では脊髄損傷者に適したBMIに補整し、さらに今までどれだけの肥満を従来のBMIで見逃しているかを指摘しているのです。

従来のBMIでは約74%の脊髄損傷者を肥満と判断することを見逃していたとされています。 これではほとんど使い物になりませんよね。

脊髄損傷者は8-18%健常者より体脂肪が多いとされていますので、今回はこれが考慮されての新たなBMIのカテゴリーの作成でした。 この表の通り、BMIが21.9以下を理想のBMI22~24.9を過体重、そして25以上を肥満としたのです。 BMIを適正にしたと単純に思えるかもしれませんが、肥満大国アメリカでこのように大幅に変化させたことは驚くべきことなのです。

アメリカですら、このように大幅にBMIの見直しを行ったので、日本においてはさらに低くBMIのカテゴリー分けをする必要があるのは明白でしょう。

そして、これがBMI修正後の分布になります。 今回は母集団が男性198人、女性24人の合計222人の研究になります。 ここまできたら完全に女性と男性分けてのグラフも見てみたかったところですが、それでも尚大きな違いが見てとれます。 従来のBMIではたった13.5%しか肥満に分類されていなかったのが、補整BMIでは44.1%までに。 また過体重を混ぜても23%も新たに太り過ぎのカテゴリーに分類されたことになります。


 

BMIの影響

これも今回の研究では非常に面白い点の一つでした。 当たり前のことでもありますが、脊髄損傷になると体重、そしてBMIは増えていきます。

脊髄損傷になってから3年で1.4kg、5年で約2.33キロ体重が平均的に上がるとされています。 これは健常者でもある一定年齢が上がるにつれ体重が増えBMIも増えるので、この数字が説得力があるかと言われると少し疑問ですが、しかし、先ほども述べたように健常者のBMIと比較してはいけないのです。 少し上がるだけでも新たなBMIの指標ではすぐに上のカテゴリーの属すことになってしまうのですからやはり注意は必要!!

また今回の論文ではその他の指標とBMIの関係性も述べられていますが、年齢と人種(日本ではあまり関係ないので割愛)にはBMIとの関係性はあったが、性別、受傷部位、受傷年数、完全、不全などとBMIの優位な関係性はなかったと報告されています。

面白いことに日常生活動作(ADL)とBMIの関係性についても議論されていました。 BMIがADLに与える影響として、BMIが増えると身体活動量が減るかと予想されていたのですが、この研究ではトランスファーとプッシュアップの回数とBMIの関係性には優位な相関はなかったと示されています。

日常生活で必要な動作はBMIが低くても高くてもあまり関係ないそうです。 なのでBMIに影響させるほどの運動をするには、日常で何か心がけるというよりもしっかり運動機会を作ることが圧倒的に重要なのです。

 

脊髄損傷者の皆さんにとって肥満意識改革が必要と言えるでしょう! 少しでも気になる方はお気軽に連絡くださいね!

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参考文献 Hatchett, Patricia E. et al. “Body Mass Index Changes over 3 Years and Effect of Obesity on Community Mobility for Persons with Chronic Spinal Cord Injury.” The Journal of Spinal Cord Medicine 39.4 (2016): 421–432. PMC. Web. 20 Feb. 2018.

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